買ったモノ - 泡沫の日々＠はてな

えーと…こういうのはなんて言うんでしたっけ/間接キッス…/バカーーーッ!!

　OVA『おいら宇宙の探鉱夫』のコミカライゼーション…じゃないけど、小惑星帯を「探検」ではなく「生活」の場として選択した人間たちが、直面するさまざまな問題に立ち向かいまたは慣れ（馴れ）あっていく（^_^;）姿を描く連作短・中編集。
　年代記というほどではないけど、ごく初期の小惑星上にたった一人で孤独な作業を強いられる「宇宙のプロレタリア」から宇宙開発の一端を担う弱小会社を舞台にした「軌道上教習」、小惑星内ハビタットで生活を営むベルターの第二、第三世代？を描く「ゆうれいシリンダー」まで、時系列に並んでいるようです（「ゆうれいシリンダー」に出てきたゴミじじいはひょっとしたら前二作の登場キャラの誰かなのかも）。
　いずれも50〜60年代のハインライン、アシモフの短編や藤子不二雄の少年SFマンガ群に通じる良質なジュヴナイルSFの味わいがありますが、ただ本質的にアクションやお色気とは無縁の地味〜なストーリー展開なので、一般受けするかどうかはビミュー。
　あとこれはあえての演出なのか作者自身も方向性に迷いがあるのか分かりませんが、『まんがサイエンス』的な学習（解説）マンガ的な部分がけっこうあるのがちょっと中途半端になっちゃったかなあ、という気はしました。
　三篇の中で個人的には小惑星内ハビタットの子供たちが経験するちょっとした冒険譚の「ゆうれいシリンダー」がやはりジュヴナイルとしてよく出来てたかなと思いました。
　冒険を通して彼らの住む世界の成り立ちの一端に触れ、それによって少しばかり人間としてベルターの一員として成長するという展開がようございます。