アマルフィ 女神の報酬

 『アマルフィ 女神の報酬』(公式サイト)
 もうすぐ公開終了なので、昨日、映画の日織田裕二ファンの妻を連れて観てみました。
 えと、劇中「無駄遣いは外交官の特権」というセリフがありますが、そのでんでいうと「無駄使いはTV局制作映画の特権」って感じのズッコケ(超)大作でしたね。
 いや、いちおー弁護しとくと観てる最中はそれほど苦痛ではないです。
 イタリアの観光フィルムとしてはまあまあな内容ですし、織田裕二のファンとか織田裕二のファンが観る分にはいいんじゃないかなあ。
 観終わって「あれっ、で、結局あのシーンにどういう意味があったの?」とか「あの計画って実はものすごく成功可能性が低いんじゃあ…」とか考え出すとガックリ脱力するような、後で腰にくるタイプ?
 だいたいタイトルに「アマルフィ」ってついてますが、実はメインの舞台はほとんどローマなのね。
 アマルフィという土地はたしかにストーリーの展開上は意味あるっちゃあるんですが、物語の中で主人公や犯人にとってなんら因縁のある土地じゃないのです。
 要するに「ローマでなければどこでもい場所」でしかなくて、たんに制作者が「舞台がずっとローマだけだと飽きるから、どっか風光明美な観光地でナポリやミラノほど有名でないとこ」というノリでチョイスしただけのものだというのがいかにも「ズッコケ大作」ぽい。
 犯人側の計画にしても一見よく考えられているようで実は穴だらけ。
 確かにミステリファンでもなんでもないふつうのお父さんお母さんが観る分にはこれでもいいんだろうけど(だから映画の興行的にはこれで正しいのだと思います)、「警備システム」のハッキングとゆーテロ計画が成功するか否かの要の部分を「テロまったく関係ない、武器すら扱えない一民間人」にお任せしちゃうというのはあまりに杜撰すぎるのでは?
 ってゆーか、加工されたらしい監視カメラ映像と警備会社に保管されてるオリジナル映像を比較するために、中枢コンピュータ室(^_^;)に入らないといけないの?…いや入らないと話は続かないのはわかりますが。
 ホテルや美術館の手配はまだしも、女の子がいつどこのトイレいくなんてどうやって予想したのでしょう?
 そこに至るまでに犯人側が用意した様々な準備・計画を思うと「もうちょっと単純かつエレガントな計画はないの?」って思うんですけどね。
 誘拐・テロ対策といった荒事を専門としていると思わしき織田祐二演じる黒田(ノリ的には『マスターキートン』みたいな感じ?)という外交官の行動にしても間抜けすぎてお話になりません(犯人に余計なかまかけて警戒させちゅうのってどうよ?)
 これ、一番の問題は作ってる側、演じてる側があくまで「シリアスな第一級エンタティメント大作」作ってる「つもり」というのが問題なので、いっそもっとはっちゃけた、スーパー外交官黒田が赴任先で鮮やかに事件を解決していく21世紀版『100発100中』や『国際秘密警察シリーズ』みたいなノリで作った方が面白くなったような…ちょうど織田に指令を出す声だけ出演の中井貴一とかいるんだから、彼に「ママ」の代わりをやらせて「100発ガール」とか出せばいいんじゃない?
 ところで「超映画批評」の中の人はこの映画(の脚本)絶賛してますが、ひょっとして同じ時期に同じタイトルの映画が二本公開されてたんですかね?(^_^)


 ■コロンビア空軍のスーパー・ツカノ
 21世紀のマスタングかウォーホークかっ。
 やはりこういう機体にはシャークマウスを描き入れてあげるのがジャスティス。