買ったモノ

 諸星大二郎『MUD MEN THE DIRECTOR'S CUT EDITION 最終版』
 あとがきによると『マッドメン』シリーズは何度も版を変えて出されてきた作品で、今回で六版目だそうです。
 かなり買ってると思うんで、我ながら相当投資してるなあ(^_^;)。
 今回読み直して、最初は何も知らない平凡な少女だったナミコが、物語後半になるとどんどん服が破けていき、最後はほとんど全裸に近い格好で恋人コドワ(異母兄妹なのだっ)の命を救うためにニューギニアの密林を駆け巡る、立派なジャングル・ガール(^_^)へと成長していく、一種のビルドゥングスロマンになっていることに感心しました。後半はほとんどナミコが主人公だもんなあ。
 トロンとした垂れ目がチャーミングなナミコが、描きすすめられるうちにどんどん可愛くなっていくのがよいですね。たぶん、かなり作者の思い入れも大きいキャラじゃないかなあ…ってゆーかあの垂れ目と唇はかなり、エロい。
 ストーリー的には物語が発表されるに従って、次第次第に「オンゴロ神話」という架空の、しかしとても魅力的な神話大系が構築されていくのが素敵。
 連載時に読んでいたことで、(大げさにいえば)ひとつの神話の創生に立ち会えたというのは得がたい経験でありますね。
 実質的なラスト、祖先から続く神話的呪縛から逃れ、自分たちの新しい物語を綴るために「大いなる者」に背を向けて手に手をとって去っていくコドワとナミコのカットは今見返してもとてもようございますね。

MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL)

MUD MEN 最終版 (光文社コミック叢書SIGNAL)

 

 「ミリタリー・クラシックス」Vol.28
 特集:「メッサーシュミットBf109」「フィリピン攻略戦」