買ったモノ

 梶尾真治鶴田謙二『さすらいエマノン Episode:1』
 「リュウ」に掲載されたフルカラーコミックスを普通より大きめ、ほぼ原寸大で収録したもの。
 何故かリュウコミックスではなくてロマンアルバム扱いになってるのはたぶん中身が全部で80頁ぐらいしかないため?
 それでも大判のカラー画面で見ると高くて(\1,200)薄くてもなんとなく許せてしまうから不・思・議。
 カラーの再現度はわりと高くて、ベタ部分の塗りむらまでそのまま出ちゃうぐらい(^_^;)。これはいいんだか悪いんだか。
 前作『おもいでエマノン』に比べるとだいぶヌードフルで肌色成分多め…ってゆーか山中の川辺と温泉旅館が舞台だけど、今回のエマノンは服着てないコマの方が多いぐらいですよっ。
 個人的にはP47あたりの、浴衣の裾からかいま見える太腿のまぶしさが眼福でしたっ。

EMANON さすらいエマノン Episode:1 (ロマンアルバム)

EMANON さすらいエマノン Episode:1 (ロマンアルバム)

 五十嵐大介『SARU(上)』

命は奪うためにある/権威はおとしめるため、秘密は暴くために/征服者の前にあるものは全て、征服されるためだけに存在する/俺は征服者<コンキスタドール>だ/俺のする事に理由など必要ない!

 人類の歴史とともに存在し、「ハヌマーン」「トラロック」「トート」「ヘルメス」「斉天大聖孫悟空」など様々な名前で呼ばれていた超生命体。 その分身のうち二体が独自の進化を遂げ、一体は精神を進化させて多数の人間に憑依する形で潜み(我が名はレギオンですな)、もう一体は肉体を極限まで進化させた結果、人類を滅ぼしかねない巨大なエネルギーを備えた存在、「恐怖の大王」へと姿を変えた。
 そしてその力を解放し世界を滅ぼそうとする黒魔術結社と、ローマ・カソリックを中心とした世界の宗教家たちとの間では人知れず人類の命運をかけた激しい戦いが続けられていたのだっ!
 とゆー諸星大二郎星野之宣ライクな文化人類学的な素材をこれでもかっというぐらいぶち込んで、全盛期の小松左京を思わせる世界と歴史を股にかけた壮大なストーリーテリングで描く『レイダーズ』みたいな冒険物語。
 ある意味『サンダ対ガイラ』(そーいやあれも猿っぽい)っぽいですが、孫悟空が憑依した美少女イレーヌのはすっぱなセリフ廻しがよいでふ。
 あと当面の悪役として登場する、反魂の法で甦った征服者フランシスコ・ピサロのお茶目な表情(^_^;)。
 手下としてコンキスタドール仲間(最後は殺しあったけど)のディエゴ・デ・アルマグロとその息子、エル・モソ<若者>がついてるのがマニアック(^_^)。
 敵か味方か分からないフランシスコ・ザビエルも登場するは、パンシールのムジャヒディンは骸骨軍団と戦うは、黒魔術を使う暗殺団とバチカンエクソシストが聖遺物「失われた聖櫃<ロスト・アーク>」をめぐってエチオピア正教会を舞台に争奪戦を繰り広げるはで大変好みです。
 六月に出る下巻が待ち遠しいですの。
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