『借りぐらしのアリエッティ』

 観てきた。まあ想像してたよりはそれほど酷くはなかったですよ?
 ただこれは企画ミスでないか?劇場じゃなくてTVシリーズでやるべき。
 毎回小人たちの存在がバレそうになるのをアリエッティと少年の活躍で危機一髪回避されるの。「わたす、絶対見たんだからぁ!」「ハルさん、あなた疲れてるのよっ」
 手術を控えてナーバスになっていたとはいえ、初対面の小人に「君たちは滅びゆく種族なんだよ」とか上から目線でのたまう少年の氷のような笑顔が素敵。
 アリエッティの「借り服」、体の線がわりとはっきり出る上にアクションの度にスカートがめくれて生足がチラチラするのがエロかったような。なんか候補にチャイナ服みたいのもあったみたいだけど、あれ選んでたらどうなったことやら。
 小人たちのミクロ世界で水の表面張力が大きいというか粘性が高い描写は面白かったです。少年とアリエッティとで液体描写に関して下品な想像をしてしまうが、内容については下品なのであえてここには記さない。小人化した人類が表面張力の大きな世界で生活してるのはジェイムズ・ブリッシュの短編だったっけ?『宇宙播種計画』だったか?
 でも「アリエッティ初めての借り」の場面で、人間のいろいろな道具を使ったギミックが登場するダンジョン探検モノみたいなあたりはけっこう好きです…ってゆーかこの辺をもっと前面に出してくれればっ!病弱の少年との淡い交流とかどーでもええからっ! 
 家政婦のサイコ・キャラとしか思えないオーバーリアクションは、ひょっとして作り手側はギャグのつもりで演出してるつもりなのか?と思いついてちょっとゾッとする。
 最後まで観れば邪悪な人物ってわけでもないらしいけど、小人の捕獲に執念燃やすのはともかく雇い主の孫に邪魔されないよう部屋に閉じ込めちゃうとかちょっと普通じゃないよなあ。
 少年を閉じ込めるとこは『シンデレラ』の継母のイメージかなとか思ったけど(わりとシチュエーションが一緒)。少年にしても良かれと思ってした事とはいえ、ドールハウスの台所セッティングすることで結果的に小人の生活を脅かしたとゆー自覚がまるでないのも気になるにゃ。